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あおい勤務地が、片道50kmくらい先に変わるんです。通うか、単身赴任か、決められなくて…。




知恵袋を見ても、通えた人と無理だった人の両方がいて、余計に迷うよね。




電気工事30年のあききは、遠い現場のときは基本的に家を離れて、現地で暮らしてきました。迷ったことはないそうです。理由は、遠かったから。
転勤や遠い現場が決まった人に、こんなことはありませんか。
- 通えなくはない距離なので、決めきれない
- 調べるほど「人それぞれ」としか出てこない
- 家族に、何から話せばいいか分からない
家族と離れたくない気持ちは、すぐには変わりません。でも、距離と時間は、今日数えられます。
この記事では、単身赴任を考える距離の線を、国家公務員の単身赴任手当の基準で示します。そのうえで書くのは、片道の通勤が1か月で何時間になるか、単身赴任で増えるお金と手当の税金、家族と決める3つの質問。
読み終わるころには、自分の通勤が線のどちら側かが分かり、家族に数字で話せるようになります。
結論から言うと、通勤距離60km以上か、家を出てから始業まで2時間以上。これが、国家公務員の手当で「通勤が困難」とされる主な線です(細かい条件は図1)。その手前なら、1か月の通勤時間と単身赴任の出費を並べて決めます。
先に書いておくと、この記事に、あなたの会社の手当の額は書いてありません。会社ごとに規程が違うので、出てくる数字は国家公務員の基準と、あなたが自分で出す数字だけです。
- 単身赴任を考える距離の線(国家公務員の基準で60km・2時間)
- 片道の通勤が、1か月・1年で何時間になるか
- 単身赴任で増えるお金と、手当にかかる税金
単身赴任か通勤か、距離の目安は60km
みんな、何kmくらいで単身赴任にしているのか。民間の会社の決まりはばらばらなので、ここでは公表されている国家公務員の基準を物差しにします。



国家公務員の単身赴任手当には、「通勤が困難」と見る基準があります(人事院規則9-89 第三条)。次のどちらかに当てはまることです。
- 通勤距離が60km以上
- 60km未満でも、通勤の方法や時間、電車の本数などから、60km以上と同じくらい通勤が困難
2つめの「同じくらい困難」は、人事院の運用で中身が決まっています。たとえば、元の家を出てから始業時刻までが2時間以上かかる場合です。1時間30分以上2時間未満でも、始業前1時間以内に着く電車やバスが1本以下なら当てはまります。
自分の時間を出すときは、元の家を出る時刻から始業時刻までを数えます。乗り換えの待ち時間も、着いてから始業までの時間も、全部この中です。人事院の運用では、歩く区間は5kmを60分、車の区間は37kmを60分として計算します。
通勤距離は、車や飛行機を除いた、いちばん経済的で合理的な経路で測ります。手当の額は、家族の住む家までの距離に応じて月3万円〜10万円です(令和8年4月現在)。
なお、人事院は2026年8月7日の勧告で、この手当のうち距離に応じて足す分(加算額)を切り離し、転居を伴う転勤をした職員を広く対象にする新しい手当にする案を出しました(令和9年4月実施の予定)。月3万円の基礎額は残す、としています。
民間の会社員の場合、手当が出るか、いくら出るかは会社の規程しだいです。就業規則や旅費規程の「単身赴任」の行を、先に読んでください。
私の場合:遠かったから、迷わなかった
単身赴任か通勤かを考えたことはあるか。そう聞かれたときの、私の答えです。
「ないね。基本的に単身赴任で対応してきた。遠かったから」
正確に言うと、会社の扱いは長期出張の形が多かったです。家族と離れて暮らした、という意味で単身赴任と言っています。
理由は「遠かったから」。それだけです。
逆に言えば、迷うとしたら、通えなくもない距離のとき。だから、線を先に引いておきます。
通勤距離60km以上か、家を出てから始業まで2時間以上なら、単身赴任を本気で考えていい距離。その手前なら、時間とお金を並べて決める。
片道2時間の通勤は1か月で何時間になるか
線の手前、たとえば片道90分なら通えるのか。まず、片道の時間を1か月と1年の時間に直してみます。
| 片道 | 1か月(20日) | 日に直すと | 1年 |
|---|---|---|---|
| 60分 | 40時間 | 約1.7日 | 480時間 |
| 90分 | 60時間 | 2.5日 | 720時間 |
| 120分 | 80時間 | 約3.3日 | 960時間 |




90分くらいなら、慣れれば通えそうな気もするけど…。
通えるかどうかは、時間の長さだけでは決まりません。通勤が長くなると、こんな形で負担が出やすいと言われます。ここは私の体験ではなく、一般的によく言われる話です。
- 仕事の前に、体力を使ってしまう
- 帰ったあと、家族と話す余裕が減る
- 休日が、疲れの回復で終わる
自分を判定する問いは、1つで足ります。その片道を、雨の月曜日も含めて1年続けられますか。
片道90分を1年続けると、720時間です。見出しの片道2時間なら、1か月で80時間。丸3日を超えます。
片道の時間は、すぐには減らせないことが多い。でも、その時間に何をするかは選べます。私は今、移動のときに AirPods Pro 3 を使っています。長期出張のころの話ではなく、今の話です。
気づき:片道90分は、1か月で60時間。通えるかどうかは、1年続けられるかで考える。
単身赴任で増えるお金と、手当の税金
単身赴任にすると、暮らしが2つになります。何にいくら増えるかは、自分の数字で出すしかありません。
| 増えるお金 | あなたの場合(月) |
|---|---|
| 家賃 | ____円 |
| 光熱費 | ____円 |
| 食費 | ____円 |
| 通信費・日用品 | ____円 |
| 帰省の交通費(1往復×帰る回数) | ____円 |
| 家電・家具(買う/借りる) | ____円 |
| 合計(手当を引く前) | ____円 |
相場の数字を書いていないのは、出どころを確かめられる数字が見つからなかったからです。家賃は物件サイトで、帰省の交通費は運賃と帰る回数で出せます。
帰省の交通費は、帰る回数で大きく変わります。私は家族と離れていたとき、毎週末、家に帰っていました。毎週末なら、月に4〜5往復です。




会社から手当が出るなら、それで足りるんじゃない?
足りるかどうかの前に、手当には税金がかかります。国税庁の質疑応答では、次のように扱われています。
| 何のお金 | 税金の扱い(国税庁) |
|---|---|
| 単身赴任手当(毎月決まった額) | 非課税所得に当たらない。給与として源泉徴収される(給料と同じように税金が引かれる) |
| 帰宅のための旅費(月・年単位で払うもの) | 仕事の旅行の費用とは認められず、給与に当たる |
| 会議などの出張のついでに帰宅したときの旅費 | 主に仕事の旅行で、額が非課税の旅費の範囲を大きく超えなければ非課税。「月1回」のような回数の基準にはなじまない |
手当は、額面のまま手元に残るわけではありません。表2の合計と、税金を引いたあとの手当を並べて比べてください。
家電や家具は、買うか借りるかで最初の出費が変わります。私は1年半、知らない土地で暮らしたとき、家電を全部借りました。そのときの話は、別の記事に書いています。
1年半、家電を全部借りたときの話と、買う・借りる・送るの比べ方を書いています。
気づき:単身赴任の手当は、給与として税金がかかる。増えるお金は、相場ではなく自分の数字で出す。
単身赴任はやめたほうがいい?家族と決める3つの質問
単身赴任はやめたほうがいいのか。答えは距離と家族の事情で変わるので、ここでは家族と決めるための質問を3つ置きます。



先に、立ち止まったほうがいい人を書きます。
- 家族に話す前に、自分だけで決めてしまった人
- いつ戻るか、どのくらいの頻度で帰るかを決めていない人
家族がいっしょに引っ越せない事情は、国家公務員の規則にも並んでいます(人事院規則9-89 第二条)。たとえば次のようなものです。
- 配偶者が、親や同居の家族の介護をしている
- 配偶者が、学校に通う子どもを育てている
- 配偶者が、今の仕事を続ける
- 持ち家を管理するために、配偶者が住み続ける
自分の家にどれが当てはまるかを先に確かめておくと、話が早くなります。そのうえで、3つの質問を紙に書き出してください。
- 5年後に「よかった」と言えるのはどっちか
- 今いちばん失いたくないものは何か
- 家族に胸を張って説明できるか
話すときは、気持ちより先に数字から。「片道◯時間、1か月で◯時間」「単身赴任なら月◯円、帰るのは毎週末」。表1と表2の数字が、そのまま話の材料になります。




帰る頻度も、先に決めておくと話が早いです。あききは、家族と離れていたとき、毎週末帰っていたそうです。
気づき:家族と話す前に、戻る時期と帰る頻度を決めておく。話は数字から始める。
迷ったら2週間だけ記録して比べる
線の手前で決めきれないなら、頭の中で比べるのをやめて、記録をとります。



通勤を2週間記録する
- 家を出た時刻と、職場に着いた時刻
- 帰ったあと、家族と話せた時間
- 寝る前の疲れ(10点満点)
単身赴任の暮らしを書き出す
- 物件サイトで、職場の近くの家賃を見る
- 帰省の交通費を、帰る回数で計算する
- 平日の夜、誰とも話さない日が続くところを想像する
2週間たったら、家族と一緒に見比べます。正しいかどうかより、続けられるかどうかで選ぶ。
気づき:頭で比べず、2週間の記録で比べる。見るのは、続けられるかどうか。
単身赴任か通勤かのよくある質問
「単身赴任」で検索した人がよく調べている疑問に答えます。
今日からできること
今日やることは、3つだけです。
- 地図アプリで、家から新しい職場まで、始業に間に合う電車の出発時刻を調べる
- 就業規則・旅費規程の「単身赴任」の行を読む
- 家族に「片道◯時間なんだけど」と、数字から話す




出発時刻なら、今夜調べられそう。




あききが迷わなかったのは、遠かったからです。迷うとしたら、通えなくもない距離のとき。だから先に、数字を出しておきましょう。
まとめ|遠ければ迷わない。迷うのはその手前
単身赴任か通勤かは、気持ちより先に、距離と時間で線を引く。
- 国家公務員の基準は、通勤距離60km以上か、家を出てから始業まで2時間以上
- 片道90分は、1か月(20日)で60時間、1年で720時間
- 単身赴任の手当は、給与として税金がかかる
- 家族とは、戻る時期と帰る頻度を決めてから、数字で話す
私は、遠かったから迷いませんでした。迷うとしたら、通えなくもない距離のときです。
地図アプリで、始業に間に合う出発時刻を1回調べる。それで、線のどちら側に近いかの見当がつきます。







