親が亡くなった後にやることリスト|実家整理と相続手続きで失敗しないための準備

お金

親が亡くなった後は、悲しみの中で次々とやらなければならない手続きや片付けが押し寄せてきます。

いざその場面になると、何から手をつけていいのかわからず途方に暮れることも多いものです。
私自身、父が亡くなり母を介護施設に入所させることになったとき、妹と一緒に整理や手続きを進めましたが、想像以上に大変でした。

この記事ではその経験をもとに、同じ状況に直面する人へのアドバイスをまとめます。
登記や金融機関とのやり取り、実家の片付け、契約整理、葬儀の事前準備まで――「リアルな体験」と「やっておくと助かること」をセットで紹介します。


登記と相続手続きは専門家の力を借りるべき

不動産の登記や相続関係の手続きは、素人だけでやろうとすると想像以上に面倒です。私は幸い、妻の父の妹が司法書士で、マンション購入時からお世話になっていたので今回もお願いできました。

登記関係そのものはスムーズでしたが、父が事業をしていたときの根抵当権が解除されていなかったため、銀行とのやり取りが二段階になり面倒でした。遠方の銀行とのやり取りは時間も労力もかかります。

登記は早めに進めるのが安心

相続登記は時間が経つほど複雑になります。亡くなってから慌てて探すのではなく、信頼できる司法書士を生前から探しておくと安心です。

根抵当権の解除は要チェック

昔の事業で設定した根抵当権が残っているケースは珍しくありません。解除のための書類や銀行とのやり取りには時間がかかるので、「うちの家は大丈夫か?」と早めに調べておくことが大事です。

金融機関ごとの違いに注意

銀行によっては「この支店でしか手続きできない」という制限がある一方で、ゆうちょ銀行はどこの支店でも対応可能でスムーズでした。最初に金融機関へ電話し、申請方法を確認してから動くと効率的です。


銀行口座・年金・保険は連絡が第一歩

金融機関や保険会社に連絡して初めて、必要な書類や手続きが見えてきます。

我が家の場合、妹が金融機関を訪問して申請書類をもらってきてくれました。窓口で対応してくれる職員の方は親切で、いろいろな課の担当者が出てきてスムーズに進んだのが印象的でした。

ゆうちょ口座はどの支店でも対応可能

複数の口座を持っている場合でも、ゆうちょ銀行は支店を問わず手続きできて助かりました。

年金・保険は意外とスピード解決

生命保険会社の担当者は実家まで来てくれ、本人確認や申請をその場で済ませられました。想像より短時間で解決。
一方で、毎年暗証番号による本人確認が必要だった点には驚きました。こうした小さな仕組みを知らないまま放置していると手続きに手間取るかもしれません。

郵便物から契約が判明することも

株の配当金など、郵便物で初めて気づく契約もあります。証券会社からの配当を止めるのは意外と面倒で、郵便局に依頼して止めるまでに時間がかかりました。
「郵便物をチェックして気づいた契約にその都度対処する」、これが実務的な進め方です。


実家の片付けは時間と体力の勝負

実家の整理は本当に大変です。冷蔵庫が3つあり、荷物も山のように積まれていました。今もまだ3割ほどしか片付けが終わっていない状況です。

大型家具や車の処分は早めに

車は軽トラックで、知人に譲渡しました。相続の対象外になるため手続きもシンプル。
一方で大型の家電や家具は売却や処分に手間がかかります。

庭や植木の処分は想像以上に大変

庭に多数あった植木と土の廃棄がとにかく大変でした。植木の処分や土の搬出は専門業者を頼まざるを得ず、費用と時間がかかるポイントです。

片付けは複数人で取り組むべき

妹やその友人に手伝ってもらったおかげで、ようやく片付けが進みました。
一人で抱え込むと絶対に終わりません。複数人で役割分担をすることが大切です。


契約の見直しで大きな節約に

故人が契約していたスマホや光回線、火災保険などの整理は意外と見落としがちです。

スマホ・光回線の名義変更は忘れずに

妹がスマホと光回線のプラン変更を行い、名義を変更しました。これを放置すると無駄な料金が発生し続けます。

火災保険は必要最低限で十分

以前は家財込みの契約で5年間で27万円も支払っていましたが、見直して必要最低限のプランに変更。結果、年間3,500円にまでコストを下げられました。

見落としがちな契約は書類で発見

契約や支払いは書類や郵便物から発見するケースが多いです。書類整理と契約整理は同時並行で行うことが効率的です。


事前準備が心の負担を軽くする

事前準備をしていたおかげで、亡くなってからの対応は比較的スムーズに進みました。

葬儀社との事前相談で安心

父が亡くなる前に葬儀社と打ち合わせをしていたため、葬儀に関する段取りや費用があらかじめ分かっており、慌てずに対応できました。

介護施設は早めの情報収集を

妹がケアマネジャーだったため、母の介護施設探しはスムーズでした。一般の方は、元気なうちから情報収集をしておくと安心です。

生前整理と財産の「見える化」が重要

「財産はここにまとめているから見てほしい」と表明しておいてくれるだけで、残された家族の負担は大幅に減ります。
身の回りの整理も、元気なうちに自分で進めることが最大の親切です。


これだけはやっておくべき事前準備ベスト3

最後に、私の経験から「これはやっておいてよかった」「やっておけば楽だった」と感じたことを3つに絞ります。

  1. 葬儀社と事前に打ち合わせをしておく
    → 流れや費用がわかるだけで、心の負担が大きく減ります。
  2. 契約や財産を一覧化して残しておく
    → 銀行口座、保険、年金、通信契約など、リスト化しておけば家族は迷いません。
  3. 身の回りの整理を自分で進めておく
    → 家族が片付けるのは本当に大変です。思い切って物を減らしておくことが、最大の「愛情」です。

親が亡くなったあとの手続きや整理は、思っている以上に膨大です。
しかし、事前の準備と早めの行動で負担を減らすことは可能です。

この記事が、同じような状況に直面する方の助けになれば幸いです。

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