
えっ、敷金って全部戻ってくるわけじゃないの?




礼金って、なんで返してくれないの?




ハウスクリーニング代で4万円って…そんなに汚した記憶ないけど…?
引っ越しって、ただでさえバタバタで大変なのに、お金のことで不安やモヤモヤを残すのって、本当に疲れますよね。
しかも、契約や退去時のやり取りって平日の昼間にされることが多くて、
フルタイム勤務の私たちにとっては対応するだけで一苦労。
そこでこの記事では、
家賃・敷金・礼金が「実際に誰に渡って、どう使われているのか」をお金の流れで解説しながら、
退去時に後悔しないための「トラブル回避の実践テクニック」も紹介します。
家賃の流れ|全額が大家さんに渡るわけではない
家賃の仕組みを知って、トラブルの予兆に気づこう
毎月しっかり払っている家賃。
当然そのまま大家さんに入ると思っていませんか?
実は、家賃はまず管理会社に支払われ、そこから手数料(5〜10%程度)を引かれてから、残りが大家さんに渡されます。
例)家賃10万円の場合
→ 管理会社が手数料10%(1万円)を引いて、残り9万円が大家さんの収入。
手数料には「家賃回収」「クレーム対応」「修繕依頼の窓口」などが含まれます
トラブル事例と対策
【事例】エアコンが壊れても管理会社が動かない
以前、夏場にエアコンが故障して管理会社に修理依頼をしたところ、
「確認します」と言われてから1週間放置されました…。
結局、直接大家さんに連絡したら即対応。
後から聞いた話では、管理会社が手数料をとっていながら、まともに管理していなかったそうです。
▶ 対策:
- 管理会社に連絡しても動きが鈍い場合は、大家さんに直接連絡してもOK
- 「家賃には手数料が含まれている」と知っておくことで、強気で交渉できます
敷金の流れ|「戻ってくる前提」ではあるけれど…
敷金は「預け金」|使われる条件と返金されるケース
契約時に払う敷金は、「何かあったときの担保」として預けるお金。
支払いではなく、基本的には退去時に戻ってくる前提のものです。
ただし以下のケースでは、差し引かれて返金されます。
- 原状回復費用(タバコのヤニ、ペットの傷など)
- 家賃や光熱費の未払い
- 故意・過失による設備破損の修繕費
経年劣化や通常損耗は、貸主負担です
トラブル事例と対策
【事例】「壁の小さなキズ」で1万円引かれた
2年住んだ1Kのアパートを退去する際、
管理会社から「壁紙の一部貼替費用として1万円差し引きます」と言われました。
よくよく確認すると、ベッドの枕元にできたうっすら黒ずみが理由とのこと。
「毎日生活してれば多少はつくよね…?」と納得いかず、
スマホで入居時に撮った写真を見返したところ、実は最初からあった跡でした。
写真を提出したところ、「今回は大家さん負担にします」となり、無事に全額返金されました。
▶ 対策:
- 小さなキズや黒ずみでも、精算時には請求されることがあります
- 入居時の状態をスマホで撮影しておけば、後から証拠として提出できる
- 「最初からあった」と言える材料があれば、交渉の余地は十分あります
礼金の流れ|返ってこない一時金の正体
礼金は「ありがとう代」|でも実際は大家さんの懐へ
礼金は「契約ありがとう」の気持ちを表すものと言われますが、
実態は100%大家さんの収入。返金義務は一切ありません。
例)礼金2ヶ月=家賃10万円×2=20万円がそのまま大家さんへ
管理会社には一切入らず、全額が大家さんの懐に
トラブル事例と対策
【事例】礼金2ヶ月払って2ヶ月で退去
新築物件に一目惚れし、礼金2ヶ月を支払って入居。
でも職場の異動で、わずか2ヶ月で退去…。
結果、20万円の礼金は全く戻らず、さらに退去費用も重なって大赤字。
▶ 対策:
- 礼金ゼロ物件も視野に入れて、「長く住む」前提で契約するかをしっかり判断
- 初期費用を抑えたいなら、「礼金1ヶ月まで」など条件を絞って探すのも◎
退去時にやっておきたい3つの自衛策
1. 契約時は「原状回復特約」を必ずチェック!
契約書に書かれている「特約」には要注意。
中には「通常損耗も借主負担」といった不当な条件が記載されていることも。
特約は「借主が理解して同意している」ことが前提。わからなければ、遠慮なく質問を!
2. 入退去時の状態記録は「未来の自分を守る保険」
スマホで室内を撮影するだけでOK。
キズ・汚れ・設備の状態を**「入居前からあった」と証明する材料**になります。
東京都の公式ガイドラインにはチェックリスト様式もあり
特にクロスやフローリングの汚れ、家電の型番と状態は記録しておくと安心。
3. 敷金精算書は「目を皿のように」見よう!
退去後に送られてくる「敷金精算書」は、必ずチェック!
- 不明な項目は詳細を確認
- 「10年住んでクロス全張り替えで請求」は常識的に不当
- 高額なハウスクリーニング代も、妥当性を確認すべき
「おかしいな?」と思ったら、公的機関の名前を出すだけでも対応が変わることもあります
よくあるQ&A
引っ越しのお金まわりは、知らないだけで損をするケースが本当に多いです。
家賃・敷金・礼金・退去費用について、よくある疑問をまとめたので、トラブル防止と判断の参考にしてください。
- 敷金って、どんな場合に返ってこないの?
-
基本は返金されますが “借主の故意・過失でかかった費用” が差し引かれます。
具体例
- タバコのヤニ汚れ
- ペットによる傷
- 家賃・光熱費の未払い
- 明らかな破損(落書き・大きな穴など)
逆に、経年劣化や通常使っただけの汚れは貸主負担 なので請求されません。
「これは通常損耗?」と迷ったら、国交省のガイドラインを基準に判断できます。 - 礼金って本当に返金されないの?短期退去でも戻る?
-
完全に返金されません。
礼金は “入居してくれてありがとう” の一時金として、100%大家さんの収入 になります。短期退去(1〜3ヶ月)でも全額没収され、減額交渉はほぼ不可。
そのため、初期費用を抑えたい場合は 「礼金ゼロ物件」 を優先して探すのが合理的です。 - 退去時に高額なハウスクリーニング代を請求されたらどうすればいい?
-
まずは 「根拠の提示」 を求めてください。
金額が妥当かどうかは、以下で判断できます。- 相場より明らかに高い(例:1Kで4〜5万円超)
- 項目がざっくりすぎる
- どの部分に何時間かかったかの説明がない
- 「経年劣化」部分まで請求されている
不当だと感じた場合は、
- 国民生活センター
- 住まいの相談窓口(自治体)
- 消費者ホットライン「188」
といった公的機関の名前を出すだけでも、対応が軟化しやすくなります。
入居時の写真・動画が最強の証拠 になるので、常に保存しておきましょう。
まとめ|お金の流れを知るだけで、あなたの引っ越しはもっと安心になる
- 家賃 → 管理会社経由で一部が手数料に
- 敷金 → 問題なければ返金される「預け金」
- 礼金 → 大家の懐に入る「返金なしの一時金」
この流れを理解しておくだけで、
契約時の不安や、退去時の損失をグッと減らすことができます。
引越しって、ただでさえお金も時間もかかる。
だからこそ、「あとで後悔しないための知識」こそ、先に知っておくべきなんです。
そして何より大事なのは、知識があるだけで“交渉できる自分”になれること。
理不尽な請求に対しても、「それは本当に妥当ですか?」と一言返せるだけで、結果は大きく変わります。
住まいに関するお金の流れを理解している人は、
・不要な出費を防ぎ
・正当に返金され
・安心して次の生活へ進める
つまり、引越し上手は“情報武装”した人から生まれるということです。
あなたの大切なお金と時間を守るために、今日の知識をしっかり味方につけてください。
次の部屋選びも、退去も、今よりずっと安心して進められるはずです。




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