気づけば、スマホの中に銀行アプリがいくつも並んでいた。
「この金利がいい」「今だけポイント」「キャンペーン中!」
お得を追いかけているつもりが、ふと気づけば、
“どの口座にいくら入っているのか分からない” ——そんな不安だけが残っていた。
実は、これ……かつての私そのものである。
金利が良い銀行、家族とのやり取り用、住宅ローン返済用、
親に作ってもらったゆうちょ口座まで。
口座を増やせばもっと便利になるはずだったのに、
現実はその逆で、ログイン先もお金の流れもゴチャゴチャ。
気づけば毎月、
「今月いくら使った?」
「NISAはどの証券会社で積み立ててたっけ?」
そんな小さなストレスが積み重なり、
“お金に振り回されている感覚”ばかりが増えていた。
「お金の管理って、こんなに大変だったっけ?」
あの頃の私は、心のどこかで諦めかけていた。
けれどある日、
SBIを軸に口座を「銀行2・証券2」に絞った瞬間、
お金の流れも、気持ちもスルッと軽くなった。
管理しやすいというだけで、こんなにも世界が変わるのかと驚いた。
お金に“振り回される側”から、“使いこなす側”へ。
そのスイッチが入ったのは、このシンプルな整理からだった。
そして結論は、とてもシンプルだ。
「得を増やすより、迷いを減らすほうが、人生は圧倒的にラクになる。」
この記事では、「迷走口座」から抜け出すための考え方と実践法をお伝えする。
お金の整理は、複雑にするためではなく、
“シンプルに生きるための設計”だということを、きっと実感してもらえるはずだ。
なぜ口座が増えすぎるのか——“小さな得”の心理トラップ
口座が増えるのは、あなたがズボラだからではありません。
人間の脳の仕組みが、そうさせているのです。
人は「すぐにもらえる得」に弱い
「今だけポイント」「口座開設で1,000円!」
このような誘惑は、即時報酬バイアスと呼ばれる心理の罠です。
人は、将来の大きな利益より、今すぐ得られる小さな報酬を選びがち。
でも、その一時の得を積み重ねるうちに、
「どの口座で何をしていたのか分からない」状態になります。
選択肢が増えるほど人は決められない
投資や銀行も選択肢が多すぎると、選ぶのがつらくなります。
「これも良さそう」「あっちも気になる」と迷っているうちに、
気づけば**“全部とりあえず開設”**という状態に。
これを心理学では**選択過多(チョイス・オーバーロード)**と呼びます。
選択肢が多いほど、決められなくなり、満足度も下がってしまうのです。

見えないコストが静かに積もる
口座が増えると、
- 資産配分が見えない
- 似た投資信託を重複保有
- 非課税枠を使い切れない
こうした「微小な不利」が、年単位で効いてきます。
つまり、**口座の多さは、時間と注意を削る“隠れコスト”**なんです。
整理の原則は「目的で選ぶ」こと
整理の第一歩は、「どの口座が悪いか」ではなく、**「何のために使うか」**を決めること。
目的が決まれば、口座は自然に減っていきます。



お金の性格に合わせて“器”を決める
お金には、それぞれ「役割」と「時間軸」があります。
- すぐ使うお金(0〜2年) → 普通預金・生活費用
- 数年後に使うお金(3〜10年) → 新NISAつみたて枠
- 10年以上育てるお金 → 新NISA成長枠・iDeCo
お金の“性格”を見極めて、それに合った“器(口座)”を選びましょう。
口座は「主軸2本+補助1本」で十分
口座の最適数は、主軸2本+補助1本。
人がストレスなく管理できる上限です。
私の場合は、
- 主軸:SBI銀行・SBI証券
- 補助:家族送金用口座
この3本に整理したことで、資産全体を一目で把握できるようになりました。
余計な確認作業やログインがなくなり、精神的にもスッキリ。
小さな得より「構造的に得する仕組み」を
ポイント還元は短期の得。
でも、低コスト投信 × 非課税口座 × 自動積立という構造は、長期で効く“仕組みの得”。
一瞬のポイントより、
「仕組みの最適化」こそ、未来の安心を生み出す本当の得です。
整理を進める3ステップ
片づけもお金も、やることは同じ。
「見える化」「分ける」「決める」。この3つで、必ず整理できます。
① 現状を“見える化”する
まずはスプレッドシートやノートに、
- 金融機関名
- 口座の種類(NISA・特定・iDeCoなど)
- 目的(生活・中期・老後)
をすべて書き出しましょう。
これだけで、自分がどんなお金の地図を持っているかがわかります。
② 「残す・休眠・解約」で仕分け
- 残す:目的に合っていて、コストが低いもの
- 休眠:使っていないけど、すぐ解約はしないもの
- 解約:重複・高コスト・目的不一致なもの
この3分類で、迷いを一気に整理できます。
③ 主軸を決めて“自動化”する
積立設定は主軸口座で完結させ、
他の口座からは余計な入金をやめましょう。
月1回のチェックで「自動運転」が完成します。



私の実例——SBIを軸にしてわかった「心の軽さ」
私が整理を始めたきっかけは、「管理がしんどい」という小さな違和感でした。
でも、手を動かしてみたら、お金だけでなく思考まで整ったんです。
- 銀行:金利目当てのサブ口座を解約
- 証券:楽天→SBIに統一
- ゆうちょ:親に感謝を伝えて解約
整理が完了したとき、ログイン先も、迷いも、ぜんぶ減っていました。
「管理が簡単=心の余裕」だと実感した瞬間でした。



まとめ:迷走口座を卒業して、長く続く仕組みを
お金の整理とは、「自分の生活設計を見直す」こと。
複数の口座を持つこと自体は悪くありません。
でも、「目的が曖昧な口座」が増えるほど、人生は複雑になります。
迷走口座は、知識不足ではなく設計不足の結果です。
目的→時間軸→税制→資産配分の順で整理すれば、必ず整います。



小さな得を追い続けるより、
「長く続けられる仕組み」を持つほうが、ずっと強い。
お金が整理されると、人生が静かに軽くなる。
その軽やかさこそ、あなたにとっての“本当の得”です。

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