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あおい手袋したままだとスマホが反応しない…。今の手袋をスマホ対応にできないのかな?




調べると、指先に糸を縫うとかシールを貼るとか、改造のやり方がたくさん出てくるよね




電気工事30年の現場から断言します。改造の前に、その作業でスマホを出していいかを決めるのが先だよ
現場で、こんなことはありませんか。
- 手袋のままだとスマホが反応せず、そのたびに外している
- 今の手袋をスマホ対応にする方法を探している
- 外したすきにスマホを落としそうで、ひやっとする
検索すると、今の手袋を改造する方法がずらりと並びます。
上位の記事の見出しを860本数えたら、「感電」「絶縁」を含む見出しは0本でした。
手袋の記事なのに、電気の話がどこにもない。
この記事では、電気工事の現場で30年働いてきた私が、スマホを触っていい手袋と、スマホを出さない作業の線引きを書きます。
改造の手順は書きません。
読み終えるころには、自分の手袋と自分の作業で、スマホを触っていいかを判断できるはずです。
スマホを触っていい手袋と、スマホを出さない作業がある。
そのうえで、改造するより、切れにくさとスマホ対応を1枚にまとめた手袋に替える。
私はこれから、現場の手袋を全部その1枚にするつもりです。
- 私の手袋3種類のうち、スマホが反応するのはどれか
- スマホを出さない作業と、そこにある国の決まり
- 改造の前に確かめることと、替えるならどの手袋か
結論|スマホを触る手袋と、出さない作業がある
先に答えを置きます。線は2本だけです。
1本目は、手袋の線です。
私の手袋は3種類あって、スマホが反応するのは耐切創手袋(ミドリ安全のカットガード)だけ。
PU手袋と冬用PU手袋では反応しません。
2本目は、作業の線です。
電気を通さない手袋(絶縁用の手袋)をはめるような作業では、私はそもそもスマホを使いません。
本当に特殊な作業で、緊迫している場面。危険作業です。
その作業のあいだは、手袋がスマホに反応するかどうかを考える場面がありません。
だから、手袋を改造するかどうかより前に、どの作業でスマホを出すのかを決めておく。
順番はこれだけです。
現場で私が使っている手袋は3種類
私の手袋は多くありません。3種類だけです。
- 耐切創手袋(ミドリ安全 カットガード210MQ・タッチパネル対応)… 反応する
- PU手袋 … 反応しない
- 冬用PU手袋 … 反応しない
耐切創手袋は、ミドリ安全の「カットガード210MQ」です。私はMを使っています。
商品名に「タッチパネル対応」と入っています。
はめたまま画面を触れるのは、この1枚だけでした。




冬用の手袋でも反応しないんだ…
PU手袋と冬用PU手袋は、はめたままだとスマホが反応しません。
触るには、手袋を外すしかない。
なぜ反応しないのか。
タッチパネルメーカーのNISSHAは、こう説明しています。
スマホの画面は、指とセンサーのあいだに生まれるごく小さな電気の変化で、触った位置を読んでいる。
ゴムや布の手袋は電気を通さないので、指と画面が離れ、その変化が小さくなって反応しなくなる。
つまり、ふつうの手袋が反応しないのは故障ではありません。
そういう仕組みです。
私がこれからはすべて耐切創手袋にしようと決めたのは、この差があるからです。
手袋を外したすきに、スマホを落とした
反応しない手袋のときは、外して触るしかありません。外したときに落としたことがあります。
覚えている落とし方は2つです。
- 手袋を外したときに、手が滑って落とした
- 持ち帰るときに落とした
手袋を外す。
スマホを出す。
触り終えたら、また手袋をはめる。
手の中のものが入れ替わるこの数秒に、落とす場面があります。




わかる…。外した手袋をどこに置くかで、いつも片手がふさがってる
外せば触れる。でも、外すことそのものが落とす場面をつくっている。
しかも手袋を外しているあいだは、手袋の守る力もゼロです。
外さなくていい手袋なら、この数秒がなくなります。
次の章は、そもそもスマホを出さない作業の話です。
スマホを出さない作業がある
ここが、この記事でいちばん書きたかったところです。
電気を通さない手袋、つまり低圧ゴム手袋のような絶縁用の手袋を使う作業のとき、スマホをどうしているか。
聞かれたら、私はこう答えます。
「そういう場面ではスマホを使用するようなことはないかな。本当に特殊な作業なので。緊迫している場面、危険作業である」
手袋がスマホに反応するかどうか以前の話です。
その作業のあいだは、スマホを出さない。




電気を通さないことが仕事の手袋と、スマホに反応させたい手袋。目的が別ものなんだよ
国の決まりでは
こういう作業には、国の決まりがあります。
条文から、手袋にかかわるところを抜き出して並べます。
- 労働安全衛生規則 第346条:低圧の電気が来ている電路の点検・修理などで感電の危険があるとき、事業者は絶縁用保護具を着けさせるなどしなければならない。命じられた人は着けなければならない
- 同 第348条:絶縁用保護具は、使う目的に合った種別・材質・寸法のものを使う。交流300ボルト以下などでは、電圧に応じた絶縁の力を持つものを使う
- 同 第351条:一定の絶縁用保護具は、6か月以内ごとに1回、絶縁の性能を自主検査する(低圧用は交流300ボルトを超える電路に使うものが対象)
- 告示「絶縁用保護具等の規格」第10条:製造者名・製造年月・使う電路の電圧を、見やすいところに表示する
条文はe-Gov法令検索(労働安全衛生規則)と、厚生労働省の法令等データベース(絶縁用保護具等の規格)で読めます。
手袋そのものには、JIS T 8112「電気絶縁用手袋」という日本の規格もあります。7,000ボルト以下の電気回路の作業に使う手袋の規格です。
決まりの中身を読むと、絶縁用の手袋は「電圧に合わせて選び、検査し、表示のあるものを使う道具」だとわかります。
だから、絶縁用の手袋に手を加える前に、必ずメーカーに確かめてください。
手袋そのものを使わない作業もある
逆向きの注意もあります。
私の耐切創手袋を出しているミドリ安全は、商品ページにこう書いています。
「回転体に手が巻きこまれるおそれがあるときは、手袋を使用しないでください」
手袋は、はめれば安全になる道具ではありません。
作業によって、はめる手袋も、はめないことも変わる。
スマホを触るかどうかも、その同じ判断の中にあります。
「スマホ対応にする」改造の前に確かめること
上位の記事でいちばん多いのが、今の手袋を改造する方法です。
指先に導電糸を縫う。
市販のシールを貼る。
液体を塗る。
こういう方法が広まっています。手順はほかの記事に任せて、ここでは書きません。




でも、シールを貼るくらいなら大丈夫でしょ?
防寒用の手袋なら、私が口を出す話ではありません。
気にしてほしいのは、性能の表示がついた作業用の手袋のときだけです。
たとえば私のカットガード210MQは、「EN388:2016 カットレベルX・C」と表示されています。
EN388は、切れる・擦れる・裂ける・刺さるといった機械的な危険から手を守る手袋の規格です。電気から守る規格ではありません。
後ろの「C」は、刃を生地に当てて、貫通するのに要る力を測る試験(ISO 13997・日本ではJIS T 8052)の区分です。
A〜Fの6段階のうち、下から3番目にあたります。
そしてミドリ安全は、「EN388カットレベルは測定データに基づいており、保証値ではありません」とも書いています。
ここに糸を縫ったり、何かを貼ったりしたあと、この表示がそのまま当てはまるのか。
メーカーの商品ページには、そのことは書かれていません。
手を加える前に、表示の扱いをメーカーに確かめてください。
- その手袋で何の作業をするか(電気を通さない手袋が要る作業なら、スマホは出さない)
- 手袋についている性能の表示(EN388など)が、何を示しているか
- 手を加えたあとの表示の扱いを、メーカーに確かめたか
3つ目を確かめるのが手間なら、答えは1つ。
改造しなくていい手袋に替えることです。
改造より、切れにくさとスマホ対応を1枚に
私が出した答えは、改造ではなく、手袋の入れ替えです。
先に、買わなくていい人の話をします。
今の手袋のままで困っていない人。
作業中にスマホを触ることがない人。
そういう人は、買い替えなくていいと思います。
私は違いました。
PU手袋と冬用PU手袋では反応しないので、触るたびに外す。
外したときに落としたこともある。
だから、切れにくさとスマホ対応の両方がそろった耐切創手袋に、全部そろえることにしました。
切れにくさが要る場面も書いておきます。
手を切る、切りそうになる場面は、配管など表面が滑りやすいものを扱うときが多い。
あとは、切ったあとの切り口です。
私は耐切創手袋のレベルCをずっと使っています。
作業によって使い分けてはいません。
その同じ1枚が、スマホにも反応します。
使っているのは、ミドリ安全のカットガード210MQです。
メーカーが出している表示は次のとおりです。
- 規格:EN388:2016 カットレベルX・C
- 21ゲージのシームレス編み(ポリエチレン繊維と鉱物の配合)
- 装着したままタッチパネルが操作できる
注意書きもあります。
「耐切創性繊維は絶対切れない素材ではありません」。
ポリエチレン繊維は熱に弱いので、高い温度の品物を持つのは避けるように、とも書かれています。
切れにくい手袋であって、切れない手袋ではない。ここは覚えておいてください。
\切れにくさとスマホ対応が1枚に/




改造して確かめるより、最初から両方そろった1枚。いちばん手間がないよ
外す回数が減れば、落とす場面も減ります。
手袋を外さずに、連絡も写真も済ませられる。
替えてから変わるのは、そこです。
部下や新人に言っているのも、同じ方向の話です。
「ゴワゴワ感がなくなってきたから、ずっとつけてね」。
スマホに反応する1枚なら、スマホを触るときもつけたままでいられます。
よくある質問
- 絶縁手袋でスマホを操作できますか?
-
私は、絶縁用の手袋をはめる作業のあいだはスマホを使いません。反応するかどうかを確かめる以前に、スマホを出す場面ではないからです。
- スマホ対応の作業手袋はどれがいいですか?
-
私が使っているのは、ミドリ安全のカットガード210MQです。選ぶときは、スマホ対応かどうかより先に、その作業に要る性能(切れにくさなど)の表示を見てください。
- スマホ対応手袋が反応しないのはなぜ?
-
スマホ対応とあっても、どの機種でも同じように反応するとは限りません。ミドリ安全もカットガード210MQの商品ページに「電子機器によって反応にバラつきがあります」と書いています。買う前に、自分のスマホで試せるかどうかも見ておくと安心です。
- 手袋がスマホ対応かどうかの見分け方は?
-
商品名やパッケージに「タッチパネル対応」「スマホ対応」の表示があるかで確かめます。私のカットガード210MQは、商品名に「タッチパネル対応」と入っています。私のPU手袋・冬用PU手袋は、はめたままでは反応しませんでした。
- 今の手袋の商品名やタグを見て、「タッチパネル対応」の表示があるか確かめる
- 自分の作業を「スマホを触っていい作業」と「スマホを出さない作業」に分けておく
- 改造を考えたら、先にメーカーに性能表示の扱いを確かめる
まとめ|改造の前に、スマホを出す作業か決める




手袋を選ぶ前に、まず自分の作業で線を引く。そこからなんだね




うん。線が引けたら、手袋はあとから選べばいい
手袋をスマホ対応にする前に、その作業でスマホを出していいかを決める。
この記事で言いたかったのは、これだけです。
- スマホを触っていい手袋と、スマホを出さない作業がある
- 私の手袋3種類のうち、スマホが反応するのは耐切創手袋だけ
- 絶縁用の手袋を使う作業では、スマホを出さない
- 作業用手袋の改造は、表示の扱いを先にメーカーに確かめる
- 替えるなら、切れにくさとスマホ対応を1枚にまとめた手袋
\はめたままスマホが触れる耐切創手袋/
私の現場の手袋は、これから耐切創手袋の1種類にするつもりです。
外す回数が減るぶん、落とす場面も減る。
あなたも一度、自分の手袋のタグと、スマホを出す作業を見直してみてください。
切れにくさのレベルの選び方は、耐切創手袋のレベルの違いと選び方にまとめています。










